『危機感も片づけの原動力』

河合妙子の片づけるとどんどん起こる♪幸せストーリー⑪

 

『危機感も片づけの原動力』

 

小さなお子さんがいる家、ワンコを飼っている家は

落ちているモノを口に入れてしまわないように

床や手の届くところには何も置けない…という話をよく聞きます。

 

ご多分に漏れず、わが家の先代犬コナンも

たたんで少しの間置いてあった洗濯ものを加えて振り回したり、

床に落とした化粧パフをカミカミして飲み込んでしまったり、

どこかに落ちていた画びょうを口の中でカラカラ転がしていたり!?

2007年にコナンをわが家に迎えてから

本当に、床の上には何も無くなりました(苦笑)。

 

さて、心理学的には

感謝の気持ちで心が満たされると

楽にモノを手放すことができるようになります。

実はもう一つ、片づけの原動力になる感情があります。

それは『危機感』です。

 

お片づけレッスンを依頼されたRさんは、

ご自身ではなく年老いたお母さまの家の中が荒れているのを

とても心配されていました。

お母様のSさんは足が悪く

一日のほとんどの時間をリビングの椅子に座って

過ごしています。

家の中はリビングもキッチンも、廊下もモノで溢れかえり

普通に歩ける私でさえも

モノを踏まないで歩くのが大変なくらいでした。

 

Sさんは、モノを捨てるのにとても抵抗があるようで

「何かに使えるから」という理由で、

部屋のあちこちにあったビニール袋やレジ袋も、

集めると大きなゴミ袋がいっぱいになるくらい持っていました。

また、食事を作っても

食器棚の前にたくさんのモノが積まれているので、

食器棚になかなか手が届かない状態です。

ですので、友人や親せきさえも

家の中に招くことができませんでした。

 

Sさんにモノを捨てられない理由を伺うと

「まだ何かに使えるもんねえ」

「これ何かに使えそう」

「捨てたらもったいないわ」と繰り返すばかり。

モノを手放せない方は、皆さんこのような理由を述べられます。

 

しかし、そんなSさんのお話を2時間ほど聴いていたら

Sさんのモノに執着する気持ちというのは

実は、亡くなられたご主人への寂しさからだというのが

伝わってきたのです。

 

「ご主人の大切な思い出があるものは

 無理に手放さなくてもいいんですよ。

 このきれいな箱に入れておきましょうね。」

 

「もし今地震が起きたらどうなると思いますか?」

 

「モノが上から横から降ってきてすごく危険です。」

 

「Sさんは家ではなくモノに押しつぶされてしまいます。」

 

「きっとご主人はあの世からSさんを

 とても心配して見ていると思います。」

 

などとお話しすると、それまでは

「何も捨てるモノはないです」と言い張っていたSさんが、

涙ぐみながら、古い雑誌や新聞、ぼろぼろのタオル、

古い紙類、衣類などなど

自分の周りにあるモノを一つ一つゴミ袋に

入れ始めたのです。

 

寂しい気持ち、傷ついてぽっかり空いた心の穴は、

どんなにモノで埋めようとしても

決して埋めることはできません。

まずは時間をかけてゆっくり話を聴くことで、

「なんでこんなモノ、今まで後生大事にもっていたんだろう」

と気づく時が必ず来ます。

更に、自分の命を守るという『危機感』も、

片づけを始める大きな原動力になるのです。 

 

 20170923「スポーツとよはし」掲載『暮らしのセラピー』より

 

コラム・メルマガ|コラム「暮らしのセラピー」

ページトップへ